1777年4月19日 アントワネットの兄ヨーゼフ2世(オーストリア皇帝)がパリに到着します。
7年ぶりの再会です。
ヨーゼフ2世は、1770年ヴェルサイユへ輿入れするマリー・アントワネットを
21日夜メルクで迎え、翌朝、メルクで見送ってからの再会になります。
この時、ヨーゼフ2世は、ヴェルサイユでの再会を約束していたので、それを守ることができました。
しかし、ヨーゼフ2世の訪問は、懐かしい再会ではありませんでした。
皇帝訪問の目的は、ルイ16世夫妻の結婚生活へのアドバイスです。
しかし、彼のアドバイスは、有名になっている「かんたんな手術」ではありません。
そもそも。ルイ16世は、手術を必要としていませんでした。
医者による報告には、「問題がない」とされており、「手術」の記録も存在しません。
「手術」(包茎)の問題は、「プライベートでデリケート」に考えられるので、
国王のプライバシーだから隠されていると、考えられていました。
しかし、18世紀当時、国王の身体にプライベートはありませんでした。
一方で、王妃は「啓蒙」時代の中で、「プライバシー」を求めはじめています。
このように、価値観は時代によって変化していきます。
※シモーヌ・ヴェルティーユ「Marie-Antoinette l’insoumise」を参考にしています。
コメントを残す